こんにちは!
札幌市南区の野球専門店スポーツショップ古内の古内克弥です。
前回はグラブの汚れ落としクリーナーについてお話をしました。
今回は、「レザーケアクリーム」についてです。
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レザーケアクリームってなに!?
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どのような時に使うのか
レザーケアクリームは、革製品の保湿と保護を目的として使用されます。
革は天然素材であり、時間の経過とともに乾燥しやすく、放っておくとひび割れや硬化が生じることがあります。これを防ぐために、レザーケアクリームを定期的に使用することが重要です。
革の柔軟性が高いと、伸びにも強くなります。
また、クリームは、使用後の革製品に潤いを与え、しなやかさを保つためにも役立ちます。特に、頻繁に使用するグラブや、長時間日光や雨にさらされた革製品には、定期的なケアが推奨されます。
写真にあるケアクリームにはUVカット成分が配合されておりますので、グラブの色落ちを防ぐ効果もありますよ。
普段ストレッチをして身体の柔軟性を高めておくのはなぜでしょうか?それは、身体が硬い状態で強い衝撃があったりなどすると、ケガがしやすいためですよね?ケアクリームでグラブを定期的にケアしておくことで、捕球時の強い衝撃にも強いグラブが出来上がりますよ!
どのように使うのか
レザーケアクリームは、革の表面に薄~く塗布して使います。
塗布する際には、Tシャツの切れ端を利用したり、ネル生地を利用するといいですね。
クリームを塗布することで、革の繊維が再び潤いを取り戻し、革自体の寿命が延びます。また、革の自然な光沢を引き出す効果もあり、使い続けることで革がより美しく仕上がります。
どのような成分なのか
レザーケアクリームの成分は、革に優しい天然のオイルやワックスが主成分となっています。
これには、ミンクオイルやホホバオイルなどの動物性または植物性オイルが含まれており、これが革に潤いを与えます。また、天然のビーズワックス(ミツロウ)やカルナウバワックスなどが含まれることもあり、これらは革の表面に保護膜を形成し、汚れや水分から革を守ります。
さらに、防腐剤や酸化防止剤が含まれている場合もあり、これらはクリーム自体の劣化を防ぎ、革の劣化を遅らせる効果があります。
どのような手順で使うのか
レザーケアクリームの使用手順は以下の通りです。
- 汚れを落とす: まず、革表面の汚れを落とします。汚れ落としクリーナーを使用するか、柔らかい布で軽く拭き取ります。
- 少量のクリームを取り出す: 指先や柔らかい布に少量のクリームを取ります。クリームを使いすぎないように、少しずつ取り出すのがポイントです。
- 円を描くように塗り込む: 革の表面にクリームを塗り込みます。円を描くように優しくマッサージすることで、クリームが革の繊維に浸透しやすくなります。
- クリームを馴染ませる: クリームを塗った後、数分間放置して、クリームが革にしっかりと浸透するのを待ちます。
- 余分なクリームを拭き取る: 余分なクリームが残っている場合は、乾いた清潔な布で拭き取ります。これにより、革の表面に均一な光沢が生まれます。
- 乾燥させる: 最後に、風通しの良い場所で乾燥させます。直射日光や強い熱源は避けてください。
この手順を定期的に行うことで、革製品の状態を長く保ち、美しい光沢と柔軟性を維持することができます。
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レザーケアクリームと
レザーオイルの違い
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レザーケアクリームとレザーオイルは、どちらも革製品のメンテナンスに使われるアイテムですが、それぞれに特徴や用途が異なります。
1. 目的と効果の違い
- レザーケアクリーム: レザーケアクリームは、「革の保湿と保護」を目的としています。クリームは革に潤いを与え、しなやかさを保ちつつ、革の表面に保護膜を作って汚れや水分から守ります。また、革の自然な光沢を引き出す効果もあります。クリームは比較的軽めの保湿を行い、革の柔軟性を維持するのに役立ちます。
- レザーオイル: レザーオイルは、「革に深い潤いを与える」ために使用されます。オイルはクリームよりも浸透力が強く、乾燥した革に対して深く浸透し、柔軟性を取り戻す効果があります。特に乾燥が進んで硬くなった革に適しており、革を柔らかくする効果が強いです。ただし、オイルの使いすぎは革を過度に柔らかくしたり、重くしたりすることがあるため、適量を守ることが重要です。
2. 使用タイミングの違い
- レザークリーム: 日常的なメンテナンスに適しており、使用頻度が高くても革に負担が少ないため、定期的なケアに向いています。クリームは、グラブを使う前後や軽い汚れを取った後などに使用することで、革の状態を良好に保ちます。
つまり、グラブを使用した日に使用する、という使用頻度でも構いません。 - レザーオイル: 乾燥が進んでいる場合や、長期間使用していなかったグラブを再び使い始める際に使われることが多いです。革が硬くなり始めたときや、深い保湿が必要なときに使用するのが適しています。頻繁に使うと革がオイル過多になり、逆に革の劣化を早める可能性があるため、使用頻度は抑え目にするべきです。
使用頻度は1か月に1回程度がいい具合かと思います。
3. 成分の違い
- レザークリーム: 天然オイルやワックスを含みつつも、比較的軽めの保湿成分が含まれています。例えば、ミンクオイルやビーズワックス(ミツロウ)が含まれており、革に潤いと保護膜を与えます。成分がバランスよく配合されており、革の表面に保護層を作ることで、日常的な使用による摩耗を防ぐ役割も担います。
- レザーオイル: より濃厚で、浸透力の高い成分が多く含まれています。一般的にはミンクオイルや植物性オイルなど、革に深く浸透する成分がメインで、革の内部にまで潤いを与えることを目的としています。オイルは革の内部を柔らかく保つのに非常に効果的ですが、クリームに比べると表面の保護効果は弱めです。
4. 手順の違い
- レザークリーム: クリームを薄く伸ばして塗り込むため、少量でも十分に広がります。塗布後に軽く拭き取るだけで良く、簡単に作業が完了します。
- レザーオイル: オイルは塗布量に注意が必要で、少量をしっかりと革に浸透させます。塗りすぎないように気をつけながら、オイルを塗布し、浸透させた後は余分なオイルをしっかりと拭き取る必要があります。また、オイルを使った後は、乾燥させる時間を多めに取ることが重要です。
5. 仕上がりの違い
- レザークリーム: 仕上がりは軽くて柔らかく、革がツヤツヤとした自然な光沢を持ちます。しなやかさが保たれ、革がベタつくことなく快適に使用できます。
- レザーオイル: 仕上がりはしっとりとした感触で、革が柔らかくなり、光沢が控えめになります。革の内部に潤いが行き渡るため、特に乾燥が気になる場合に使用すると効果的です。
以上のように、レザークリームとレザーオイルはそれぞれ異なる特性と用途を持っており、グラブの状態や必要に応じて使い分けることが大切です。日常的なメンテナンスにはクリーム、深い保湿が必要なときにはオイルを選ぶと良いでしょう。
「クリームとオイル、どっちがどっちだか、正直なところわかりません。」という方は、実は野球専門店の中でもたくさんいらっしゃいます。
簡単に下記に表にしてまとめましたので、参考にしてくださいね!
※こちらは、あくまでも一般的な違いです。
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レザークリームと
レザーオイルの違い
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特徴 | レザークリーム | レザーオイル |
目的と効果 | 保湿と表面の保護、革の自然な光沢を引き出す | 深い潤いと柔軟性を与える、乾燥した革を柔らかくする |
使用タイミング | 日常的なメンテナンスに使用、使用頻度が高くても革に負担が少ない | 乾燥が進んだ時や、長期間使っていなかった革に使用、頻繁には使わない |
成分 | 天然オイルやワックスが主成分、革に優しい軽めの保湿成分 | 濃厚で浸透力の高いオイルが主成分、革の内部に深く浸透 |
手順 | 薄く塗り広げて使用、軽く拭き取るだけで作業完了 | 少量をしっかり浸透させ、余分なオイルを拭き取る、乾燥させる時間が必要 |
仕上がり | 軽くて柔らかい、自然な光沢 | しっとりとした感触で、革が柔らかくなり光沢は控えめ |
もし、こうしたメンテナンス用品について、いいものをお探しでしたら、当店はフォーチュンフィールドという、昭和3年に創業したオイルメーカーの品物をオススメしておりますので、チェックしてみてくださいね!
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クリーム、オイル、色々と違いがありますが、実は私たちグラブを扱う人間も、革に対しての知識ってまだまだ浅いんだなぁということがわかりました。
そのことに気付けたのは、世界一の靴磨き職人である長谷川裕也さんに会ったこと、そしてグラブの鞣し工場のジュテルレザーに行ったことが大きなきっかけとなっております。
専門家になったつもりでも、まだまだ「なったつもり」から脱してはいませんでした。
グラブの構造や型については知っていても、革そのものについては知っていませんでした。
その革がどのようにケアされたら、革が一番喜んでくれるのか、これもまだ知ってはいませんでした。
日々、革についての勉強であったり、探求し続けることは重要だなぁと感じた次第です。
今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!