息子の姿に、自分の原点を重ねて
今年の5月、私の息子がサッカーを始めました。まだまだルールもわからない、ドリブルさえも満足にできない、その小さな足でボールを追いかける姿を見て、私は「自分もこうだったのかなぁ」と思いました。
同時に、私自身が子どもの頃に感じていた感情や、心に刻まれた出来事が一気によみがえってきました。
「うまくなりたい」とか
「試合に出たい」とか
「認められたい」とか
そんな感情を思い出しました。
私が小学4年生のときに経験した「最強チームに選ばれなかった日」。
それは、私の人生において、大きな挫折の一つでした。今でこそ、日々の出来事を冷静に受け止められるし、前向きにとらえられるようなメンタルを持つような年齢になりましたが、当時の私にとっては世界が崩れるほどの衝撃でした。自分の持てる時間をたくさんかけて努力したからこそ、その悔しさに泣かずにはいられませんでした。
しかし、その経験が、私の原点でもあります。悔しさを経験することは、成長のために必要な通過点です。
息子の姿を見ていて思うのは、あの日の悔しさがあったからこそ、私はその後の人生でも「簡単に諦めない人間」になれたのだということです。
もしあの日、簡単に選ばれていたとしたら、ここまで努力の意味を考えることはなかったかもしれません。人はうまくいかないときにこそ、自分自身と深く向き合うことになります。
思えばたくさんのステージで、私は挫折から始まっているように感じます。
サッカーでもそう。
高校から始めたバレーボールでもそう。楽器演奏でも、そして営業でも、そして経営でも。
いつもなにかしらの挫折から始まり、泣くほど悔しい思いをし、それを乗り越えてきました。
スポーツショップ古内というお店を経営する今、私は「悔しさ」や「成長」に向き合う若者たちを応援したいと思っています。
なぜなら、悔しさの先にこそ、本当の成長があるからです。
「青少年の健全な育成に寄与する」
これはスポーツショップ古内の経営理念のひとつです。
このブログを通じて、私の経験を少しでもシェアできたら、きっと誰かの心に届くと信じています。
それが「青少年の健全な育成に寄与」することが出来たら嬉しいです。
選ばれなかった日の事実と、心に刻まれた言葉
私が通っていた少年団は札幌市南区にある常盤サッカー少年団というチームで、当時は全学年合わせて60人を超える大所帯でした。私は4年生で、そのチームの「最強チーム(一軍)」のメンバーにどうしても入りたいと願っていました。
その想いは、今でも昨日のことのように思い出せます。
私は将来はJリーガーになりたい!と夢を持ってサッカーを始めたこともあり、毎日、他の誰よりも練習していた自負がありました。
放課後はもちろん、少年団の練習が終わってからも、家の前に小石を並べて、その間をドリブルして通り抜ける練習を繰り返しました。リフティングも、自分で決めた目標数を達成しないと家に入らないと決めていたほどです。
その努力が実を結ぶことを信じて迎えた、最強チームの選考日。
私は呼ばれませんでした。
名前が最後まで呼ばれなかったその瞬間、頭が真っ白になりました。
「あれ?一人呼び忘れていない?これで終わり?」
と、目の前の現実に頭が追い付いていかない感じでした。
同じ学年で選ばれたのは、足の速いM君だけ。
彼は確かに実力がありました。私より足が速く、得点力もあった。
しかし「僕はそれ以上にテクニックがある!誰よりもリフティングだってできるし、誰よりもドリブルだってうまい!」という思いが、悔しさに拍車をかけました。
その日は、家までの帰り道を泣きながら歩きました。
でも、後になって思い返すと、あのとき味わった悔しさが、私を次のステージに押し上げてくれたのです。
自主練習の質と量は、その日をきっかけにさらに頑張れるようになりました。
そしてその冬、私はついに最強チームに選ばれることができました。
あの悔し涙が、私を強くしてくれたのだと思います。
悔しさを「次」に変える力を育てよう
人は、悔しさを経験したときに、2つの道を選ぶことができます。
1つは、諦めてしまう道。
もう1つは、それでも立ち上がって挑戦を続ける道。
私は、小学生のときに後者を選びました。そしてその選択が、その後の私の人生を大きく変えました。
「選ばれなかった」ことは、ある意味で自分の価値を否定されたように感じるかもしれません。でも、そこで落ち込んで立ち止まるのではなく、「じゃあ何が足りなかったのか?」と問い直し、自分を育てる材料にすることで、次のステージへ進むことができるのです。
私はその後、ゼット株式会社というスポーツ用品卸売業に就職し、営業としてトップセールスを記録するまでになりました。最初の現場ではロジスティクスを学び、その後グラブ製作、営業、営業事務と経験を重ね、どの業務でも「昨日の自分より成長する」という信念で取り組んできました。
あのときの悔しさが、「一回選ばれなくても、それで終わりじゃない」という心の土台を作ってくれたのです。
だからこそ、スポーツショップ古内では、道具の販売だけではなく、「成長につながる考え方」もお客様と共有したいと思っています。
練習方法の相談でも、チーム内でのポジション争いのことでもいい。どんな小さな悩みでも、私たちと一緒に「悔しさをバネにする方法」を見つけていきましょう。
今、この瞬間から始めよう。悔しさが教えてくれる成長の道
いま、あなたがもし「うまくいっていない」と感じているなら、もしかするとそれは「次の成長のための通過点」かもしれません。
結果が出ないとき、選ばれないとき、自信を失いそうになるとき。そんなときこそ、成長の芽が生まれている証拠です。
誰にでも、悔しい思いをする瞬間はあります。
大切なのは、その悔しさをどう受け止めて、どう行動に変えていくかです。
私がグラブを仕立てるとき、いつも思うのは「この道具が、選手の背中を押してくれる存在になってほしい」ということです。
だからこそ、スポーツショップ古内では、ただグラブを売るだけでなく、その裏にある「想い」や「物語」まで大切にしています。
悔しい気持ちを誰かに話すだけで、少し楽になることもある。
また、誰かの経験を聞くことで、「自分も頑張ろう」と思えることもある。
このブログが、そんな誰かの一歩のきっかけになれたら、とても嬉しいです。
何か悔しいことがあったときには
「よし、もう一度やってみよう」
と言ってみてください。
私たちは、いつでもあなたのそばで応援しています。
「あなたのまわりに相談したくなるお店はありますか?」
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