最近、型直しの依頼が急増中
ここ数日、スポーツショップ古内には「グラブの型直しをお願いしたい」というご相談が続いています。
昨日、今日と連続して、異なるお客様から同じようなお悩みを受けました。
「グラブを買った当初はしっかり捕れていたのに、最近はどうもボールがはじかれてしまう」といったご相談です。
こうしたお声をいただくたびに思うのは、「スポーツショップ古内なら何とかしてくれる」と思っていただけていることへのありがたさです。もしかすると、「型直しなら古内に聞いてみたら?」という口コミが、地域の野球関係者や親御さんの間で少しずつ広がってきているのかもしれません。
実際、チームメイトやコーチからの紹介でご来店くださる方も増えてきたように感じています。
しかも興味深いことに、来られたお客様の年齢やプレースタイルは違っても、共通していたのは「ボールがうまく捕れなくなってきた」「グラブが弾くようになった」という点でした。
これは単なる偶然ではなく、今の時期や使用年数、使い方などによって、一定の傾向が見えてきているのではないか——そんな仮説も立てながら、一つひとつ丁寧に原因を探っています。
捕りづらさの原因は“型”だけじゃない
グラブがボールを弾いてしまう——この原因は必ずしも“型崩れ”とは限りません。
昨日ご来店いただいたお客様は「ポケットをもっと深く作りたい」とおっしゃっていましたが、詳しく見てみると、捕球面にびっしりと土がこびりついていました。そしてその表面はコンクリートのように固まっており、革の表面を完全にふさいでしまっていたのです。
そのため、せっかくポケットに入ったボールでも、グラブの弾力が失われていることで、ボールがポンっと弾き出されてしまう。これでは、いくら型直しをしても本質的な解決にはなりません。
解決の鍵は「フルクリーニング」
グラブの表面を覆っていた土や泥は、ただの汚れではありません。時間が経つことで革の表面にこびりつき、やがて毛穴を塞ぎ、まるでコンクリートのように硬化してしまいます。そうなると、革本来が持つ「しなやかさ」や「柔軟性」が失われてしまうのです。
グラブというのは、ただ形が良いだけではなく、捕球面がしっかりとボールの衝撃を柔軟に吸収し、包み込むように受け止めることで、本来の役割を果たします。この柔軟性が失われてしまうと、たとえポケットに当たったボールでも、まるで硬い壁に当たったかのように弾かれてしまう。これが「弾く」現象の正体なのです。
このような状態に気づかず、「捕れないのはポケットが浅いせいだ」「もう一度型を直してもらえば元に戻るはずだ」と判断してしまう方が多いのですが、それでは本質的な解決には至りません。むしろ、間違った加工を施してしまうことで、グラブの寿命を縮めてしまうことさえあります。
今回のお客様も、まさにそのようなご相談でご来店されました。「もっと深いポケットを」とご希望されていましたが、まず状態を見極め、捕球面に固着した土こそが問題であることを特定しました。
そこでご提案したのが「フルクリーニング」(税込6,600円)です。
捕球面に詰まった泥や汚れを一つひとつ丁寧に取り除き、革に保湿と栄養を与えることで、革本来のしなやかさと柔軟性を回復させました。結果として、型直しをしなくても捕球性能は大きく改善し、「これでまた試合で使えます!」と喜んでいただくことができました。
このように、「捕れない=型崩れ」と短絡的に決めつけてしまうと、本来必要ではない修理や型直しを行ってしまい、かえってグラブの寿命を縮めてしまうことさえあります。まずは“本当の原因”を見極める目を持つことが大切です。私たちスポーツショップ古内では、グラブの見た目や動きだけではなく、その“声なき不調”にも耳を傾け、最も効果的で負担の少ない方法をご提案しています。お客様のグラブにとって「今、必要なことは何か」を見抜く目。それが、私たちの最大の強みであり、お役立ちできる理由だと考えています。
- クリーニング前
- 捕球面に固着した泥を取り除きます。

- クリーナーを捕球面に!
- クリーナーで捕球面の泥を浮かします。
この時使用したのは、フォーチュンフィールドの「クリーナー」

- 汚れを掻き出します!
- 歯ブラシタイプのブラシで汚れを掻き出します!
歯ブラシタイプのブラシは毛が硬いので掻き出すのにも最適です!

- クリーナーで汚れを除去しました。
- クリーナーで汚れを除去しただけでも捕球面のふっくらした感じは戻ります。
が、ここでさらにもうひと手間!

- クリームで革をケア
- 汚れを除去するのに用いたクリーナーはなかなか強烈なものですし、ブラシでゴシゴシこすっていることもあるので傷んでいる可能性があります。
クリームを使って革をケアします。今回はこのフォーチュンフィールドの「クリーム」を使います。

- クリームを塗り込む
- クリームを捕球面全体に塗り込みます。

- ブラッシングでフィニッシュ!
- 最後はブラッシングでクリームをまんべんなく伸ばして、全体にいきわたるようにしましょう。

- 完成♪
- クリームでケアしたことで、より捕球面にふっくらとした弾力が戻りました。
見た目もキレイになりました。

あなたのグラブもチェックしてみませんか?
もしあなたやお子さんのグラブで「最近ボールが弾きやすくなった」と感じているなら、ぜひ一度、捕球面の状態をチェックしてみてください。
目に見えづらい細かな土汚れが固着しているかもしれません。
私たちは、グラブの状態を確認したうえで、最適な方法をご提案しています。
スポーツショップ古内は、ただの販売店ではありません。
あなたのグラブと、野球への情熱に寄り添うお店でありたいと考えています。
修理や加工のメニューはこちら。
https://sp-furuuchi.com/maintenance/
今回使ったグラブケア用品はこちら。
お問合せはラインでお気軽にどうぞ。
https://lin.ee/WzcaYNe
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