GLOVE SHAPING
プロの型付けは何が違う?
新人スタッフが自分でやってみて分かった「いい型」の正体
「いい型のグラブって、結局どこがいいんですか?」
先日、当店の新人スタッフ・横井がそんな疑問を口にしました。毎日たくさんのグラブに触れる仕事をしていても、「いい型」を言葉で説明するのは意外と難しいものです。
そこで今回は、横井が自分のグラブの型付けにノーヒントで挑戦。そのあと当店の職人、糸岡と大澤が最後の仕上げをしました。素人の型付けとプロの型付けで、何がどう違ったのか。本人の実感を交えてご紹介します。
まず、自分でやってみた結果
横井が最初にやったのは、多くの方がやるのと同じ方法でした。
「ここを曲げさえすれば、なんとかなるだろう」
新人スタッフ・横井つまり、関節(グラブの折れ目)ばかりに気が向いていたのです。ポケットになりそうな場所を見つけて、そこを一生懸命曲げる。柔らかくしたい場所を、力ずくで揉む。
結果はどうだったかというと——関節が付ききらず、どこか頼りない型に。捕球面とグラブ全体のバランスが取れていないので、「曲がってはいるけれど、捕りやすくはない」グラブになってしまいました。
じつはこれ、店頭にご相談いただくグラブでもとてもよく見る状態です。決して横井が不器用なわけではなく、ノーヒントでやると自然とこうなる、というのが正直なところです。
プロが仕上げると、何が変わったのか
そのグラブを、糸岡と大澤が仕上げ直しました。細かい工程は少しだけ企業秘密ですが、大事な考え方はシンプルです。
プロは、関節という「点」ではなく、グラブ全体を「面」で見ています。そして型紙に合わせて「このグラブなら、こう持っていこう」という設計図——いわば型付けの法則——を持っています。行き当たりばったりで曲げるのではなく、そのグラブの革質・大きさ・使い手に合わせて、着地点を決めてから手を動かすのです。
もうひとつ大事なのは、「自然な型」に整えるのではなく、使う人の手に合わせるということ。同じグラブでも、手の大きさや捕り方が違えば、いい型は変わります。
「いい型」は、はめた瞬間に分かる
仕上がったグラブをはめた横井の第一声は、こうでした。
「グローブが、軽くなってる……?」
仕上がったグラブをはめた瞬間重さは1グラムも変わっていません。それでも軽く感じるのは、グラブが手の動きについてくるからです。そしてもうひとつの実感が「手の平にピッタリ吸い付いてる感じ」。手とグラブの間にすき間がなく、一体感があるということです。
まとめると、いい型のグラブには3つのサインがあります。
- はめると軽く感じる(手の動きにグラブがついてくる)
- 手の平に吸い付くような一体感がある
- 関節が「付ききって」いて、閉じたい形にスッと閉じる
逆に言えば、「なんだか重い」「手の中でグラブが遊ぶ」「閉じたい場所で閉じない」と感じるなら、型を見直すサインかもしれません。
あなたのグラブ、その型で合っていますか?
型付けは、一度失敗すると自分では戻しにくいのがやっかいなところです。でも、プロが見れば直せるケースがほとんどです。
「この型でいいのかな?」「自分でやってみたけど、なんか違う気がする」——そんな段階のご相談こそ、大歓迎です。買ったお店じゃなくても、もちろん構いません。
スポーツショップ古内(札幌市南区)の店頭、またはLINEでお気軽にどうぞ。グラブを見せていただければ、その場で状態をご説明します。




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