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グラブの『最適裁断』って何?革の部位で性能が変わる話

グラブの『最適裁断』って何?革の部位で性能が変わる話

スポーツショップ古内 店主 古内克弥

札幌市南区の野球専門店「スポーツショップ古内」店主・古内克弥です。

「グラブの“最適裁断”って何ですか?」——見た目はちょっとキズがあるのに、握ると驚くほど良い。そんなグラブの秘密をお話しします。

▼ 先に結論

最適裁断とは、見た目のキズやシワよりも“性能”を優先して革を裁断する考え方です。1枚の革の中でも部位ごとに厚みや硬さが違うため、パーツごとに最も適した部位を使う。多少のキズを許容してでも、捕球面には最適な革を当てる。プロ仕様グラブで使われる手法です。

そもそも、革は1枚の中で「均一」じゃない

グラブに使われる革は、食肉用に育てられた牛の副産物です。牛は生き物ですから、1枚の革の中でも部位によって厚みや硬さ、繊維の細かさが違います。人の肌でも、よく動く場所とそうでない場所で質感が違うのと同じイメージです。

このように、「どのパーツにどの部位の革を使うか」で、出来上がるグラブの性能は変わってきます。

「見た目重視」だと、最適部位を使えないことがある

革には、生き物である以上どうしても自然なキズやシワが入ります。従来は見た目をきれいに見せることを優先し、キズやシワを避けて裁断していました。すると——本当はその部位を捕球面に使いたいのに、小さなキズがあるせいで避けてしまう、ということが起こります。

店主より:キズやシワは、革が天然素材である証でもあります。性能にまったく影響しない位置のキズまで避けてしまうと、せっかくの“良い部位”を活かしきれないことがあるんです。

「最適裁断」=機能を優先する裁断の考え方

そこで生まれたのが最適裁断という考え方です。性能に影響しない範囲のキズ・シワは許容し、各パーツをそれぞれ最も適した部位の革で裁断する。「見た目のために最適部位をあきらめる」のではなく、「機能・品質のために最適部位を使い切る」という発想の転換です。

  従来の見た目重視 最適裁断
優先するもの 見た目(キズ・シワを避ける) 機能・品質(適部位を使う)
キズ・シワ 極力避けて裁断 性能に影響しない範囲は許容
捕球面の革 最適部位を使えない場合がある 最適部位を優先して当てる

たとえばミズノプロのような上位モデルでは、こうした考え方でつくられたグラブも見られます(あくまで一例です)。少しキズがあっても、握ってみると驚くほど良い——そういうグラブには、こうした裁断の工夫が隠れていることがあります。

よくある質問

Q. 表面にキズがあるグラブは、品質が悪いということですか?

A. 必ずしもそうとは限りません。革は天然素材なので、自然なキズやシワが入ります。最適裁断の考え方では、性能に影響しない範囲のキズはあえて許容し、その代わりに各パーツへ最適な部位の革を当てています。見た目のキズ=低品質、ではないんです。

Q. どの部位の革が良い・悪いがあるのですか?

A. 一概に良し悪しではなく、「パーツごとに適した部位がある」とお考えください。たとえばお尻周りの厚く繊維の細かい革は捕球面に向く、といった具合です。それぞれの長所が活きる場所に使うのが最適裁断です。

Q. 自分でグラブの裁断を見分けることはできますか?

A. 裁断そのものを見分けるのは難しいですが、「握ったときの捕球面のしっかり感」は実際に手に取ればわかります。気になるモデルがあれば、ぜひ実物を握り比べてみてください。違いを一緒に見ていきましょう。

まとめ

グラブの革は1枚の中でも部位ごとに性質が違い、パーツごとに適した部位があります。最適裁断は、見た目のキズ・シワよりも機能・品質を優先し、各パーツを最適部位で裁断する考え方。多少のキズがあっても捕球面には最良の革を当てる、プロ仕様の手法です。グラブを選ぶときは、見た目だけでなく「握ったときの感触」にも注目してみてください。

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スポーツショップ古内 店主 古内克弥

古内克弥(ふるうち かつや)

札幌市南区の野球専門店「スポーツショップ古内」店主。野球用品メーカーでの勤務を経て、地域の野球少年・保護者・学生・社会人の道具選びをサポートしています。「売ること」よりも「その人に本当に合う道具を一緒に考えること」を大切に、グラブ・バット・メンテナンス用品まで、野球用品全般のご相談に応じています。